2011/09/16 10:40

パソコン業界 (2011年9月)
パソコンは今、メーカーの動きが世界レベルで激しい。レノボとNECによる共同出資会社設立に加え、米ヒューレット・パッカード(HP)がパソコン事業の分社化を検討するなど、慌ただしくなってきた。国内だけでみれば、2010年に過去最高の出荷台数を記録し、好調なマーケットのようにみえる。しかし、メーカーは再編に動いている。果たして、パソコンは発展する市場なのか。
米系2社を追うアジア系2社
2010年の全世界でのパソコン出荷台数は、約3億4700万台に上る。このマーケットで優勢なメーカーをみると、米国の2社を追いかけるアジアメーカー2社という構図が浮かび上がる。2010年のメーカー別シェアでトップに立つのは米HPで、シェアは18.5%。2位は12.5%の米デル。1位と2位とは6ポイントの差があり、HPが一歩抜きん出ているのがわかる。その後ろをアジア勢のエイサーグループ(12.4%)とレノボ(9.8%)が追っている。3位のエイサーグループは、デルに0.1ポイント差にまで迫っている。
世界シェアをみて驚くのは、日本メーカーの存在感の薄さだ。シェアが5%を超え、上位5位に入るのは東芝だけ。国内市場ではシェア19.3%でトップのNECは、世界シェアでみると0.9%しかなく、国内シェア19.0%で2位の富士通も、世界の舞台では1.6%しかない。日本というマーケットがいかに小さく、加えて日本メーカーが世界市場でいかに受け入れられていないかがわかる。
出荷台数は横ばいが続くか
調査会社のMM総研のデータを活用して、国内パソコン市場の出荷台数を年度別でみた過去4年の実績と、今年度(2011年4月~12年3月期)の見込みを示したのが右図である(個人向けを含む)。実績をみると、07年度~10年度まで伸び率に多少の違いはあるものの、一貫して前年度を超え、10年度には過去最多の出荷台数となる1456万5000台に到達。MM総研によれば、最多の出荷台数を10年ぶりに更新したことになる。10年度の実績を個人と法人で分けると、個人向けが前年度比6.8%増の737万台、法人向けが同2.6%増の719万5000台で、ともに伸びた。
人向けの伸び率は個人に比べて低いが、これは前年度の09年度に「Windows 7」への買い替え需要が高まったことと、政府の「スクール・ニューディール構想」による学校向け特需の反動によるものだ。伸び続けてはきたものの、今年度は一転してマイナス成長に陥る。台数は3.5%減の1405万台だ。これは、東日本大震災が影響している。MM総研は、震災前は前年度並みを予測していたが、震災の影響によるマイナスを約50万台と試算して下方修正している。ただし、震災の影響は上期だけにとどまる可能性が高いともみている。MM総研に限らず、複数のIT調査会社の予測をまとめて推測すると、この先数年の販売台数は1400万~1450万台の範囲で落ち着く可能性が高い。
★詳細な解説記事
<Industry Chart 業界の今を俯瞰する>パソコン 年1400万台前後の横ばい市場 メーカー再編が進むか の全文を読む
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